ティアが「古着deワクチン」に取り組む理由
企業でSDGs達成に向けた取り組みやサステナビリティ推進を担う担当者が頭を悩ませること、それは、SDGsやサステナビリティを社内にどう浸透するか、という課題です。今、これを読まれている各企業の推進担当者様がいらしたとしたら、「分かる!」と激しく同意してもらえるに違いない、あるある課題の一つと言えるでしょう。一見、自分の業務とは程遠いと感じる従業員も社内にいる中で、どのように興味を持ってもらうか、ティアでサステナビリティ推進を担う私も同じように悩みました。その一つとしてティアで始めたのが「古着deワクチン」という活動への参加です。
古着deワクチンは、不要となった衣類やバッグ・靴等を世界に輸出し販売すると同時に一口につき5人分のポリオワクチンが開発途上国の子どもたちに寄付されるものです(日本リユースシステム株式会社が運営)。キットを製作するのは国内の福祉作業所、衣類の輸出先であるカンボジア直営センターで働くのは、ポリオ障がいのあるスタッフです。このように国内外での障がいのある方の自立支援という側面からもSDGsに貢献している取り組みです。
贅沢な話ですが、私のクローゼットには自分自身は着なくなってしまった状態の良い服が数枚眠っています。同じような方が社内にもいるのではないか、自分の服がどこかで役に立っていると感じられたら少し幸せな気分になれるのではないか、そう考え社内にも呼びかけて展開することにしました。初めて行ったのは2022年6月。初めての取り組みでもあったため、まずは本社内での展開を行うことにしました。社内に発信して数日後、会館勤務のスタッフから「会館での回収もやりたい!」と声を上げてもらい、急遽会館も一緒に展開することになりました。おそるおそる始めた担当者としては、本当にありがたい嬉しい一言だったことを今でも覚えています。
その後、2023年3月にも実施し、社内でも「次、いつやるの?」と聞いていただけるようになりました。回収する衣類は「次の方に使っていただける状態の良い綺麗な衣類であること」を社内でも共通認識として今後も継続できればと考えています。
また、この取り組みは、ティアの会館でお客様イベントとして展開することもあります。我々のお客様の中には終活を行っている方や、亡くなった大切な方の衣類を捨てられずに残しておられる方もいます。このような事情を抱える方に、大切な衣類が活かされる場を提供することでお客様にも喜んでいただけるのではないかと考えています。実際、今までの取り組みにおいて「亡くなった母の服を持ってきた。」と語る方もおられました。そんなきっかけでお客様とお話しできることもありがたく思います。
ただし、このような活動を行う上で、常に忘れてはならないと思うのは様々な考えの方がいるということ。「どの服もすべて着ているから出す服はありません。」という方がいらしても、同じようにサステナブルな素敵な生き方です。多様な価値観を大切にしながら、社内外でのサステナビリティ推進をしていきたいと思います。