家族葬全体の基本的な流れ
地域慣習の違いにより、葬儀の流れが一部異なる場合がございます。
上記の表のとおり、家族葬の基本的な流れは一般葬とほぼ同じで、通常であれば通夜と告別式・火葬を含めて2日間に渡って行われます。
しかし、家族葬の場合は通夜を行わず告別式と火葬を含め1日だけで済ませてしまうこともあります。
ご逝去~納棺までの流れ ご遺族が行うこと
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危篤、ご臨終の対応
危篤、ご臨終に際して行うこと
- 危篤
- 近親者、親しい人への連絡
- ご臨終
- 死亡診断書の受取り
- 火葬の手続き(葬儀社が代理で行うのが一般的)
地域慣習の違いにより、葬儀の流れが一部異なる場合がございます。
危篤は必ずしも最期であるとは限りませんが、危篤である旨を少しでも早く近親者へ連絡するようにしましょう。
ご臨終された場合は、入院先の病院で死亡診断書が発行されます。自宅療養中の場合は、かかりつけの主治医へすみやかに連絡するようにしましょう。
危篤・ご臨終時の細かな対応については以下の記事で解説していますので、いざという時に備えてご一読することをおすすめします。
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葬儀社の手配
ご臨終後は、すみやかに葬儀社の手配をしましょう。葬儀社は、故人が亡くなった日から葬儀までをサポートしてくれますので、迅速かつ慎重に決めることが大切です。
特に病院で亡くなった場合は、早急に自宅や斎場へご遺体を搬送する必要があります。そのため、万が一に備えて事前にお願いしたい葬儀社を選定しておくと慌てなくて済みます。
葬儀社選びのポイントについては別の記事でより詳しく解説していますので、いざという時に慌てて葬儀社を決めないためにも、一度ご確認ください。
また、葬儀社に依頼できる業務を以下に一覧表でまとめています。何が必要で何が不要かをチェックリスト形式で確認できるので、実際に葬儀社の手配時に必要かどうか確認しましょう。
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親族への家族葬連絡
葬儀社の選定が終わったら、親族へ家族葬を行うことを連絡します。
家族葬の場合、まず参列者をどこまで呼ぶかを考える必要があります。招待する人数に決まりはありませんので、ご遺族間で相談しながら決定します。
参列者の範囲については、一例として以下の表にまとめていますので参考にしてみてください。
参列者の人数 | 参列者の範囲 |
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10名程度 | ご遺族のみ |
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30名程度 | ご遺族+親族 |
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50名以上 | ご遺族+親族+交友関係 |
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家族葬では参列者をどこまで呼ぶかについてトラブルが生じることもあります。そのため参列者を呼ぶ範囲は慎重に考える必要があります。
以下の記事では、家族葬で参列者をどこまで呼ぶかについてより詳しく解説しています。故人との最期の別れでトラブルが起きないためにも、一読をおすすめします。
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お打ち合わせ
どこまで参列者を呼ぶか決めたら、家族葬当日に向けてのお打ち合わせです。
お打ち合わせでは、以下の内容を主に話し合います。
抜け漏れがないように、チェックリストとしてお役立てください。
お打ち合わせについての詳細は以下の記事で解説していますので、こちらも一読しましょう。
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湯かんの儀、納棺
- 湯かんの準備
- 着替えお化粧などの身支度
- 副葬品を棺の中へ
地域の風習・慣習により一部異なる場合があります
湯かんの儀とは、葬儀の前に故人のお身体を整えることです。ご遺体の硬直をほぐしながら、清拭(せいしき)を執り行います。
清拭(せいしき)の後、生前のお姿に近くなるようにお化粧や死装束へと身支度を行い、納棺します。
納棺時には副葬品として故人の愛用品や旅立ちの際に一緒に持っていってほしいものを棺に納めることができます。中には、副葬品として棺に納めることができない品物もあるので、以下のリストを用いて当てはまるものがないかをチェックしましょう。
故人の旅立ちにあたって行われる湯かんの儀や納棺について、より詳しい内容を知りたい場合は、以下の記事で説明しています。
通夜の流れ ご遺族が行うこと
一般的に通夜は参列者がご遺族や親族の方へおくやみを伝える場とされています。一方で告別式は参列者が故人に対して別れを告げるために行います。
しかし人数を限定した家族葬において、一部の地域では通夜と告別式を分けず、通夜を省略するという考え方もあります。
ご遺族の意向や故人の遺志で家族葬でも通夜を行う場合は、以下の流れが一般的です。
通夜(仏式の場合)
通夜の流れ
- 受付
- 着席・宗教者入場・開式
- 読経や焼香
- 宗教者退場
- 喪主挨拶
- 通夜振る舞い
地域慣習の違いにより、葬儀の流れが一部異なる場合がございます。
通夜の流れや準備については別の記事で紹介していますので、通夜を行う際は参考にしてみてください。
告別式・火葬の流れ ご遺族が行うこと
告別式・火葬
- 告別式
- 火葬
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告別式
告別式の流れ
- 受付
- 着席・宗教者入場・開式
- 読経・引導
- 弔辞・弔電
- 読経・焼香
- 宗教者退場・閉式
地域慣習の違いにより、葬儀の流れが一部異なる場合がございます。
告別式でご遺族が行う流れを上記の表に簡単にまとめました。
告別式の流れについてさらに詳しくお知りになりたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
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火葬(仏式の場合)
火葬の流れ
- 火葬場到着
- 読経や焼香
- 火葬
- 拾骨
地域慣習の違いにより、葬儀の流れが一部異なる場合がございます。
より詳しい火葬の流れや持ち物については、以下の記事で紹介しています。
いざという時に必要なものが多い火葬の段取りで慌てないためにも、一読をおすすめします。
【葬儀後】初七日法要~役所への手続きまでの流れ ご遺族が行うこと
葬儀後
- 初七日法要
- 精進落とし
- 散会
- 香典返しの手配
- 役所・保険会社への手続き
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初七日法要
初七日法要とは一般的に故人の命日から数えて7日目に行う法要を指し、故人が極楽浄土にいけるよう、僧侶の読経とともに成仏を願います。最近では葬儀と同じ日に初七日法要を行う「繰り上げ初七日法要」も増えています。
ご遺族間および葬儀社や宗教者と相談しながら、どのような形で初七日法要を行うかしっかり話し合いましょう。
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精進落とし
精進落としとは、初七日法要の後に葬儀でお世話になった宗教者や参列者などをご遺族がおもてなしするものです。宗教者が精進落としに参加できない場合は、御膳料をお包みする場合もあります。
初七日法要や精進落としについては、別の記事でより詳しくまとめています。事前に確認しておくと万が一の場合に役立ちますので、ぜひご一読ください。
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散会
散会の流れ
- 散会の挨拶
- お清めの塩を配布宗派によってはない場合もあります
- 帰宅
地域慣習の違いにより、葬儀の流れが一部異なる場合がございます。
精進落しが終わったら、葬儀は散会です。喪主は散会の挨拶で感謝の気持ちを伝えるのが一般的です。
散会の挨拶やお清めの塩については、細かな意味やマナーがあるので、以下の記事でしっかりと確認しましょう。
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香典返しの手配
| メリット | デメリット |
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即返し
(当日返し) |
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後返し |
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- 発送漏れや記帳内容のミスで品物が届かないことがある
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葬儀後に香典返しの手配をします。葬儀後の香典返しは無事に忌が明けたことを報告する意味合いもあり、四十九日(忌明け)を過ぎた後にお返しするのが一般的です。
香典返しには即返しと後返しの2種類があり、即返しは事前に用意した品物をその場でお返しします。しかしいただいた香典が高額の場合は、改めて差額分の品物をお返しすることもあります。
一方で後返しはいただいた金額に応じて、後日品物をお返しします。後返しのためのリスト作成にはかなりの労力が必要です。発送漏れがないように注意しましょう。
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役所・保険会社への手続き
葬儀が終わったら、ひと段落のように思えますが、ご遺族側には役所や保険会社への諸手続き等やるべきことが残っています。
本項目では、故人の葬儀が完了した後に必要な手続きをそれぞれ項目ごとに分けて簡単に解説していますので、参考にしてみてください。
生命保険の請求
故人が生前に生命保険をかけていた場合は、死亡保険金請求の手続きが必要です。
まずは、葬儀の終了後に保険会社へ連絡します。その際、以下の内容を担当者に伝えましょう。
死亡保険金の手続きには期限があるので、すみやかに保険会社へ連絡することが大切です。
年金受給権者死亡届
故人が年金受給者であった場合は、年金支給の停止手続きが必要です。死亡届の提出のみでは年金支給の停止手続きは行われません。年金の不正受給を防止するためにも、亡くなった方の年金証書、死亡を明らかにする書類を同封して、管轄の年金事務所へすみやかに提出しましょう。管轄の年金事務所がどこにあるのかについては、日本年金機構のホームページに案内があります。
年金受給権者死亡届を提出する際は、提出期限にも注意しなければなりません。厚生年金を受給していた場合は死亡後10日以内、国民年金の場合は死亡後14日以内となっています。
なお、日本年金機構にマイナンバーが登録されている受給者の場合は、年金受給権者死亡届(報告書)に関する手続きが不要です。
未支給(年金・保険給付)請求は、故人が年金を受け取らずに亡くなった場合でもご遺族側で受け取り可能です。一般的には年金受給権者死亡届(報告書)と一緒に行いますので、忘れずに手続きをしましょう。
相続税の申告
税務署への相続税の申告も忘れてはいけません。
相続税は、故人の死亡日の翌日から10ヶ月以内に申告する必要があり、遺産を相続する相続人が各自で申告手続きを行います。
家族葬の流れを理解した上で、準備をすすめましょう
家族葬の基本的な流れは一般葬とほぼ同じで、通常であれば通夜と告別式・火葬を含めて2日間に渡って行われます。しかし、家族葬の場合、地域によっては通夜を行わず告別式と火葬を含め1日だけで済ませてしまうこともあるため、どちらのパターンで葬儀を執り行うかについては、ご遺族や葬儀社とともに相談してみましょう。
また、家族葬を終えた後でも、ご遺族側では様々な法的手続きが必要です。特に年金受給に関する手続きは、提出期限が非常に短く葬儀の準備とほぼ同時進行で行わなければなりません。直前に慌ててしまわないためにも、事前に段取りを把握し準備しておきましょう。
今回紹介した家族葬の流れの中で、ご不明点等ございましたら、些細なことでも結構ですのでお気軽にティアへご相談ください。