葬儀についてよく話し合う
考え方の相違によるトラブルを回避するには、葬儀についてよく話し合うことで対策できます。
また葬儀については、故人の遺志を尊重し明確にすることが重要です。故人の遺志を明確にしておくことで、親族や友人とトラブルになっても納得してくれる場合があるからです。
さらに葬儀社と話し合う際に、親族に同席してもらうのもひとつの手です。一緒に家族葬のやり方を考えていくことで、意見の相違も未然に気付くことができるでしょう。
「家族葬について」
家族葬のトラブルを未然に防ぐには?
親族や友人関係、費用などのトラブルについて解説
家族葬は比較的新しい葬儀形式であり、だからこそ起こるトラブルも多くあります。しかし家族葬のトラブルは事前の対策で防ぐことができます。このページで家族葬に起こりがちなトラブルと対策を確認していきましょう。
上記のような特徴から家族葬のトラブルは起きる傾向にあります。トラブルになってしまう相手については葬儀社、故人の親族や友人、菩提寺など多岐にわたります。
相談内容 | 件数 | |
---|---|---|
1 | 高価格・料金 | 205 |
2 | 説明不足 | 196 |
3 | 契約 | 134 |
4 | お見積もり | 121 |
5 | 契約書・書面(全般) | 103 |
6 | 解約(全般) | 88 |
返金 | 88 | |
8 | 他の接客対応 | 86 |
参考:独立行政法人国民生活センター
「大切な葬儀で料金トラブル発生!-後悔しない葬儀にするために知っておきたいこと-」
家族葬における葬儀社とのトラブルの主な相談内容の内訳が上記の表にまとまっています。
2015年には国民生活センターが個別で葬儀トラブルの報告書を出しています。相談内容は多岐に渡りますが、特に金銭や契約に関するものが目立ち、その数は毎年600件にものぼります。
家族葬で起こる親族や友人間でのトラブルには、どのようなものがあるのでしょうか。トラブルが起きるポイントをそれぞれ見ていきましょう。
親族や友人と喪主の間で家族葬に対する認識の違いが発生し、トラブルになることがあります。
家族葬は、一般葬に比べると参列者を限定した小規模の葬儀です。「葬儀は盛大におこなうもの」という考え方がある親族や「お世話になったから参列したい」という気持ちのある友人とトラブルになりやすいのです。生前、故人とかかわりがあったのは遺族や親族だけではないため、生前お世話になった方々の気持ちを尊重することも大切です。
家族葬を行うことへの説明不足から、上記で挙げた考え方の人たちと衝突することがあるため注意しましょう。
考え方の相違によるトラブルを回避するには、葬儀についてよく話し合うことで対策できます。
また葬儀については、故人の遺志を尊重し明確にすることが重要です。故人の遺志を明確にしておくことで、親族や友人とトラブルになっても納得してくれる場合があるからです。
さらに葬儀社と話し合う際に、親族に同席してもらうのもひとつの手です。一緒に家族葬のやり方を考えていくことで、意見の相違も未然に気付くことができるでしょう。
家族葬でよく起こるトラブルの2つ目は、予期せぬ対応です。
家族葬における予期せぬ対応については例えば以下の4つが挙げられるでしょう。
こうした家族葬の予期せぬ対応に関しては、これから紹介する2つの対策で回避できます。
トラブルを回避するためにも、葬儀のお知らせを工夫しましょう。
一般葬ではなく、家族葬で行うという点をしっかりと伝えられるようにします。加えて参列を希望しないことや、香典辞退する場合はその旨をしっかり明記することも大切です。
また家族葬への参列をお断りする方には、家族葬に関する詳細日時を伝えない場合もあります。
「香典や供花・供物などをどこまで受け取るか」を事前に決めておきましょう。
例えば香典返しが大変なので「香典は全て辞退する」もしくは「当日の参列者からのみ受け取り、その場で香典返しをする」などを決めておくことで、その後の対応も楽になります。
ただし香典は弔意でもあるため、尊重(受け取る)することも選択肢のひとつです。
家族葬は一般葬に比べ、故人との時間をゆっくり過ごすことのできる葬儀形式です。何を優先し何を大事にするのかを明確にし、香典や葬儀後の弔問についての対応を事前に決めておきましょう。
こうした点は葬儀社とも相談しながら進めていくことをおすすめします。自分の希望を共有しておくことで、スムーズに打ち合わせができるだけでなく、どのような取り決めをすればいいか葬儀社からも提案しやすくなるためです。
家族葬では菩提寺とのトラブルも発生しやすい傾向にあります。家族葬は小規模なだけでなく自由度も高いため、ときに菩提寺のしきたりやルールから逸脱してしまうこともあるからです。
こうした宗教観の違いからもトラブルになる可能性はあり、場合によっては法要や納骨を断られてしまうことも考えられます。
また菩提寺との関係悪化から、最終的に一度納骨したお骨を他の場所に移し替える「改葬」をしなければいけないこともあります。
そもそも菩提寺とは?
菩提寺は家族とゆかりの深いお寺を指します。もし家のお墓や位牌をおさめているお寺があれば、それを菩提寺というのが一般的です。
葬儀だけでなく、法事、法要も菩提寺に依頼することが多く、仏事全般に関して相談をする相手でもあります。
そもそも菩提寺があるということを知らず、トラブルになるケースもあります。菩提寺の有無を必ず確認しておきましょう。
菩提寺があるか調べる際には、まず親族に相談するのをおすすめします。戒名などを手掛かりに菩提寺を調べることも不可能ではないですが、手間を考えるとおすすめできません。
菩提寺との関係を悪化させないためにも、家族葬を行おうと検討している場合は、必ず事前に連絡と相談をしましょう。
家族葬が「故人の遺志」である場合はその旨を伝え、事前に了承を得ることで、トラブルを防げます。特に故人が無宗教で家族葬を行う場合には、菩提寺とのトラブルになりやすいので事前相談を忘れないよう注意しましょう。
家族葬で起こる葬儀社とのトラブル事例とその対策についてご紹介します。
「希望やイメージとは異なる葬儀になってしまった」というのを聞くことがあります。
葬儀のプロである葬儀社と、葬儀に慣れていない喪主との間で理解の相違が起きてしまうためにこのようなトラブルは発生します。
対策として他の親族も同席の上、葬儀社と家族葬についてしっかり話し合いましょう。
大切な方を亡くしている中で、喪主が冷静でいるのは難しいものです。そのため親族複数名が葬儀社との話し合いに同席するようにしましょう。また可能であれば喪主の経験がある親族に同席してもらうと、より安心して打ち合わせを進めていけるでしょう。
葬儀社との間では請求に関するトラブルも発生しがちです。
家族葬は参列者を限定するため、小規模で安いというイメージがつきがちですが、実際にはその内容によって費用は大きく異なります。また一般葬と比べて自由度も高いため、追加サービスが思いのほか高くなることも考えられます。
加えて参列者の限定や、香典辞退をした場合、香典収入が減ることになるため、結果的に一般葬よりも喪主側の負担が大きくなることもあります。
家族葬の請求トラブルを回避するためにも、事前に見積もりを出してもらいましょう。見積もりを確認することで、請求に関しておかしな点を見極めることができます。
また「希望する家族葬にどの程度の費用がかかるものなのか」のイメージもつきやすくなります。
葬儀社の中にも種類があるのをご存じでしょうか? インターネット仲介サービス事業者に相談した場合、仲介手数料が上乗せされ価格が高くなる傾向にあります。一方で葬儀専門事業者であれば手数料がない分、同じ料金であっても葬儀内容が充実したものになる可能性があります。
葬儀サービス提供を専門に行う葬儀専門事業者への相談も検討してみましょう。
大切な人が亡くなり心身ともに疲弊し時間も限られる中で葬儀社を選ぶのはとても骨が折れるものです。
国民生活センターのPIO-NETへ実際に寄せられた相談内容を見てみると、やはり料金に関するものが多くを占めています。
相談内容の例
参考::国民生活センター「PIO-NETに寄せられた墓・葬儀相談件数の推移(2020年9月30日現在)」
見積もりがあれば、怪しい請求については事前に対処できます。また見積もりをもとに誰かへ相談することもできます。
葬儀費用は決して安いものではありません。故人との大切な別れの場で悔いが残らないよう、必ず見積もりを出してもらいましょう。
ティアでは、24時間365日電話相談ができるだけでなく、オンラインによる見積もりも可能です。「家族葬の葬儀社を探しているけれど、時間がなくて見積もりを請求できない」という方もぜひ一度ご相談ください。
家族葬は親族だけでなく故人の友人、さらに菩提寺や葬儀社とのトラブルも発生しがちです。トラブルが発生してしまうと、せっかくの最期のお別れに悔いが残ってしまいかねません。今回紹介したポイントを把握し、対策することで未然にトラブルを回避しましょう。
これ以外にも、家族葬での不安や疑問はたくさんあるかもしれません。その際はお気軽にティアへご相談ください。
監修:ティアアカデミー
セレモニーディレクターを育成する組織として、入社する社員の教育や入社後の研修を実施。葬祭ディレクター技能審査(厚生労働省認定) 1級葬祭ディレクターの資格を持つ講師も在籍。独自の資格制度である「ティア検定」を創設し、毎年数百名の葬祭ディレクターの審査を実施している。