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- ずっと続く、故人様の温もりとつながり。
ずっと続く、故人様の温もりとつながり。
- 担当者
- 山田 健二
- 施行会館
- ティア守山
最期の“恩返し、親孝行”のお手伝いがしたい。
葬儀の仕事は、私の天職です。そう思えるのは、これまで執り行ってきた葬儀の中で耳にした住職の法話やお客様の何気ない一言から、葬儀に対する知識を深め、お客様の不安やご要望を賜り、最良の葬儀をさせていただくことが私の喜びとなっているからです。ご遺族が通夜、葬儀を通して、故人様に精一杯の恩返し、親孝行をしていただくお手伝いをするのが私の役目だと思っています。
今回の葬儀でも「山田さんのおかげで良い葬儀になった」とお声をかけていただきましたが、あくまで私たちは黒子であり、良い葬儀を作ったのはご遺族の皆様でした。
葬儀と向き合うために大切な3つのこと。
その葬儀の喪主様は、長年同居していた最愛のお母様を亡くした娘様でした。初めてお会いした時、深い悲しみの淵にいらっしゃる上、初めての葬儀経験で不安でいっぱいの様子でした。そんな悲しみや不安を和らげたい。私はまず喪主様とご遺族の皆様に「通夜と葬儀の2日間、何一つお困りのことや不安がないように、全力でお手伝いさせていただきます。少しでも分からないことがありましたら、いつでも私の携帯にお電話ください」とお伝えしました。すると、娘様も、ご遺族の皆様も、悲しみの中から安堵の笑みを浮かべられました。
その後、通夜、葬儀の2日間をどのように過ごしていただくかについて3つお話ししました。
まず1つめは「故人様に声をかけたり、触れてください」。さりげない会話でも、外出時にひとこと「行ってくるね」とあいさつするだけでも良いのです。また故人様に触れると、皆様の手は冷たく感じますが、その分、皆様の手の温もりを、故人様はとても温かく感じられています。故人様はたった一人で旅立たなくてはならず、とても不安な状態です。皆様の声や手の温もりに、ほっと安らぐことができると思います。
次に「故人様への感謝のメッセージを書いてください」。感謝の気持ちや謝りたいことなど、どんなことでもかまいません。故人様に伝えたいことを、色紙や折り紙に書いてください。一つひとつは小さくても、集まれば大きな言霊となり、故人様を心地よく包んでくれます。
最後は「故人様が生前好きだった食べ物をお供えしてください」。亡くなる直前、悔いとして残りやすいのが食欲だと言われています。入院や身体の衰えなどで、食べたいものを食べられずに亡くなられる場合が多いからです。故人様は食べることはできませんが、お供えをすることで、好きな食べ物の香りに包まれながら、心地よく旅立つことができます。
この3つを話し終えると、涙を浮かべる方もいらっしゃいました。しかしその涙は、もう悲しみの涙ではありません。ティアにおまかせいただいた安堵感と、故人様との想い出や感謝の気持ちが、温かく、やさしい涙となってあふれたのだと私は思っています。
遺族だけで、ゆっくり過ごす最期のひととき。
葬儀の日、私は開式の2時間前に会館に向かいました。なぜなら葬儀の前に、故人様とご遺族だけで、ゆっくりお別れの時間を持っていただこうと、あらかじめご遺族にご提案していたことがあったからです。
以前、別のお客様が、告別式の最後に執り行われるお別れの儀式で、ゆっくりお別れができなかったことが心残りだと、何気なくつぶやかれたことがありました。その時、私の心はズキンと痛みました。読経や焼香、出棺の時間都合で、どうしてもお別れの儀式の時間が短くなってしまう場合があるのです。ご遺族の皆様が、後悔の気持ちを残したまま、葬儀を終えることがないよう、私は告別式前の時間、棺を開け、保冷剤を取り除き、蓋を開けたままにして、「どうぞ開式までのしばらくの間、お声をかけ、触れてあげてください」とお伝えし、席を外しました。水入らずで、故人様に触れ、語らう最期のひととき。「この時間があって良かったわ。もう悔いはありません」と、娘様は穏やかな笑顔を向けてくださいました。
告別式の最後、棺は故人様が大好きだったおまんじゅうと、メッセージが書かれた折り鶴や色紙でいっぱいになりました。故人様は、お供え物の甘い香りに包まれながら、ご遺族の温もりと言霊を抱き、旅立って行かれました。
しかし、これでおしまいではありません。故人様はずっと残されたご遺族、さらに次に生まれてくる命をずっと見守っています。故人様とご遺族のつながりは、これからもずっと続いていくのです。
担当者の想い
担当者の想い
100%以上に満足していただける葬儀とは。
今回の葬儀は、故人様の想い出の品や写真を飾る「想い出コーナー」などはなく、シンプルなものでした。しかし、それらがなくても、心からご遺族と寄り添うことができれば、悔いのない最高の葬儀となります。葬儀においてもっとも大切なのは、最期の恩返しと親孝行を思い残すことなくしていただくことだと思っています。