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「最期の、ありがとう。」ティア
流山市

コロナ禍を乗り越えて、お世話になったたくさんの人に感謝の気持ちを伝えたい。

担当者
奥村 祐子
施行会館
ティア岡崎中央

コロナ禍で、はじめての一般葬。

新型コロナウイルスの影響は、葬儀業界にも及びました。ティア全館で手洗い、消毒、マスク着用、換気など、できうる限りの感染予防の対策が即座に取られました。ご遺族様が密になることを懸念して5〜10人ほどの小規模な葬儀がしだいに増え、コロナウイルスの恐ろしさを肌で感じながらも、日々の業務にしっかりとあたっていました。

愛知県で緊急事態宣言が発出され、自粛期間まっただ中の4月下旬ごろ。通夜前日、自宅でお会いした喪主である長男様と故人様の奥様は、とてもお疲れの様子でした。故人様の看病をし続け、以前の病院から転院してこれからまた前向きに頑張っていこうというときに、突然お亡くなりになられ、心にぽっかりと穴が空いているようにも見えました。そんな疲れや悲しみを振り切るように、奥様は私に要望を告げられました。

「こんな状況ですけれど、これまでお世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えたいのです」。

奥様、故人様ともに地域の方との交流が広く、なるべく多くの方々に参列してもらいたいとのお気持ちがありました。コロナ以後、多くの参列者を迎えての一般葬は「ティア岡崎中央」では初めてのこと、私は内心戸惑いながらも、喪主様、奥様を不安にさせることのないよう、現状ティアが実施しているコロナ対策についてていねいに説明をし、多くの参列者を迎えるにあたっての新たな対策については検討すると伝え、会館に戻りました。

「密」を避けるため、会食室にモニターを設置。

なるべく多くの方に参列していただくためにはどのような対策を取るべきか。最善の方策を会館のスタッフ全員と相談しました。マスク着用や消毒、換気はもちろんのこと、式場のソーシャルディスタンスを保つために、参列人数を制限し、式場に入ることができない方々には、式場の隣にある会食室にモニターを設置し、式の様子を見ていただけるようにしました。

また、ご遺族に許可をいただいた上で、式場においての「密」が不安な方には、時差参列の時間を設け、式の前後に焼香していただけるようにしました。

通夜当日。用意した送迎バスに乗ってこられた方は少なく、ご家族に送ってもらったり、自家用車で来たりと、参列者の方々も、密になることを懸念し、配慮して来館してくださいました。

通夜、葬儀ともに、式の途中、タイミングを見計らっては換気をこまめに行い、ご参列の皆様に安心していただけるよう、配慮しました。最期のお別れのときには、参列の皆様お一人おひとり、故人様に花を手向けていただくことができました。「まさか参列できるとは思っていなかったよ。最期に顔を見ることができて本当によかった」と涙ながらに語られている声があちらこちらで聞こえました。

制限ばかりでなく、最期のお別れの場所を提供する。

葬儀後にも、私は何度か自宅にお伺いし、故人様に手を合わせ、奥様とお話ししました。その中で、自宅から少し離れた「ティア岡崎中央」を選ばれたのは、故人様が通勤電車の中で「ティア岡崎中央」をふと見つけたこと、ここで自分の葬儀をしたいと思い、ご家族に知られないようにティアの会員になっていたことを聞きました。生前から「ティア岡崎中央」で葬儀をしたいと思っていただいていたと考えるとありがたい気持ちでいっぱいになりました。「コロナ禍で、一般の方をお呼びするのを止めようかとも思っていたけど、決断して良かった」と奥様が故人様の遺影を眺めながら微笑んでいらっしゃる姿を、いまでも思い出します。

コロナウイルスの影響がいつ解消されるのか、それは誰にも分かりません。でもこんなときだからこそ、しかるべき対策を考えた上で「故人様のお顔を見て最期のお別れができ、ご遺族がお世話になった方々に直接お礼を伝えることができる場所」を提供していきたい。制限ばかりをするのではなく、ご遺族の想いを形にし、後悔することなく、故人様を見送っていただくことができるよう、最善を尽くしていきたいと思っています。

担当者想い

担当者:奥村 祐子

担当者想い

「いつも気づいたらそばにいてくれる」人でありたい。

後からお聞きしたのですが、高校生のお孫様は、初めて看取りから葬儀まですべて経験をされたとのことでした。湯灌・納棺の儀式やスタッフの故人様やご遺族への丁寧な接し方に感銘を受けてくださったようです。

私が大切にしているのは、いつもほがらかでいること。「何かあったら奥村さんに聞けば大丈夫」「いつも気づいたらそばにいてくれる」という安心感をご遺族に与えられる人でいたいと思っています。お孫様に少しでもその想いが伝わったかと思うと、とてもうれしいです。