- 葬式のことなら「TEAR(ティア)」
- お客様の声
- ご葬儀エピソード
- 私からお客様へ、「ありがとう」をお返しする葬儀。
私からお客様へ、「ありがとう」をお返しする葬儀。
- 担当者
- 佐藤 祐太
- 施行会館
- ティア北名古屋
「頑張ってくださいね」。親しくしてくれたお客様のために。
2016年の夏、私は初めて支配人を任され、ティア北名古屋のオープンに携わることになりました。北名古屋エリアで初めてのオープンということもあり、不安もいっぱいでしたが、まずはとにかく地域の皆様と仲良くなろうと、地域の清掃活動からお祭りやイベントまで足を運びました。まだ20代で若かったからか、「若いのに頑張っとるね」と親切にしてくださる方がたくさんいらっしゃいました。
その中のお一人が今回のご葬儀の故人様の奥様でした。ティア北名古屋の駐車場の向かいにお住まいで、初めてごあいさつに伺った時は、自宅の前に葬儀会館ができるということに戸惑いの表情を見せつつも、誠意を持ってお話すると最後には「頑張ってくださいね」と温かく迎えてくださいました。その後、清掃活動などで顔を合わせるうちに次第に打ち解け、家に招いてくださり、葬儀相談もお受けするようになりました。その頃は故人である旦那様もご健在で、とてもやさしそうな佇まいが印象的でした。
無事にオープンを迎え、2年が経ち、私のティア覚王山への異動が決まりました。ご自宅にごあいさつに伺うと、「名古屋市内に異動なんて出世だね!ちゃんと野菜を食べなきゃだめよ!」と、畑で採れた野菜をたくさん持たせてくださいました。
通夜や葬儀の準備でなく、最期のお別れに目を向けて。
ティア北名古屋の事務スタッフから、旦那様がお亡くなりになったと訃報の電話が入ったのは、ティア覚王山へ異動して1年も経たない頃でした。私には元気な旦那様の姿しか思い浮かべることができず、信じがたい気持ちでした。ティア北名古屋のイベントと重なり、その葬儀を執り行うスタッフが不足しているということも聞き、「お世話になった方が困っている時に手を差し伸べない理由はない、私が恩返しできるのは今しかない」とティア北名古屋の支配人にお願いをし、私が旦那様の通夜と葬儀を担当させていただくことになりました。
通夜の日、事前にお電話した上でご自宅に訪問すると、奥様はうれしそうな反面、以前の印象とは違う悲しみに満ちた表情を浮かべていらっしゃいました。喪主は奥様ではなく、長女様が務められました。長女様も気丈に振舞われていますが、その奥に深い悲しみがあるのが分かります。
通夜の準備を始める前、私は奥様と長女様に「通夜や葬儀の作法や準備など、慣れないことばかりで気を張られていることと思います。でもそれらのことはすべて私たちにお任せください。本当に大事なのは、故人様と過ごす最期の2日間という時間です。どうか最期のお別れに目を向けていてください」とお伝えしました。それを聞くと、お2人ともはっと気づかれたように「ああ、そうですね」と安心した様子で、最期のお別れへのご要望をお話しされました。
一人の参列者として伝えた、故人様への最期のメッセージ。
通夜の準備に際し、会館の入口には故人様の思い出の品を飾りました。ご家族が節目節目に訪れていた下呂温泉での写真やお気に入りだった洋服などを並べました。私がティア北名古屋にいた頃に親しくしていただいていた地域の方もたくさん参列され、奥様が「佐藤さんが飾ってくれたのよ、孫が帰ってきた気分だわ」と話されている姿を見たとき、ふと「この方たちがいらっしゃったからこそ、ティア北名古屋があり、私がいるんだ」と感謝の気持ちがあふれてきました。私たちは、お客様から「ありがとう」の言葉をいただくためではなく、お客様に「ありがとう」をお返しするために、この仕事をしているのだと気づかされたのです。
翌日の葬儀では、奥様も長女様もしっかりとお別れの時を過ごすことができた様子で、故人様の棺に花を手向けながら「こんないい式にしてもらって良かったね」と晴れやかな表情をしていらっしゃいました。私はカラオケが好きだったという故人様のために、前日に作っておいた紙製の手作りマイクを取り出し、「よろしければ、こちらも一緒に棺にお入れください」と奥様にお渡しした後、「私もお花を手向けさせていただいてよろしいですか」とお願いしました。奥様は笑顔で「ここまでしてくださって、本当にありがとうございます。どうぞお花を入れてあげてください」と承諾してくださいました。
私は、一輪の花を手に、ティアのスタッフとしてでなく、一個人として故人様へ最期の言葉を伝えました。「佐藤です。ティア北名古屋のオープンの時からお世話になり、ありがとうございました。まさかこんな形で再会するとは思ってもおらず、悲しいです。私の担当業務はこれで終わりません。奥様やご家族が困られている時には、いつでも来ますし、ずっとフォローさせていただきますから、どうぞ安心してください」と、感謝の想いとともにそっと花を手向けました。
担当者の想い
担当者の想い
ティアは、故人様の叶えられなかった想いを叶える場所。
私が葬儀の仕事に携わるきっかけになったのは、祖父の葬儀でした。祖父の葬儀の後、葬儀饅頭を食べている時にふと、病床にあった祖父が「饅頭が食べたい」と言っていたのを思い出しました。その時、亡くなった人の叶えられなかった想いを叶えてあげられるのは、生きている私たちしかいないんだということに気づいたんです。その気づきによって今、私は葬儀の仕事に就いています。故人様の叶えられなかった想いを叶えることで、悔いのないお別れをする大切なセレモニーを託していただけるティアであり、自分でありたいと思います。