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- 一期一会のご縁を大切に。目に見えない想いに、そっと寄り添う。
一期一会のご縁を大切に。目に見えない想いに、そっと寄り添う。
- 担当者
- 日比野 良太
- 施行会館
- ティア豊橋南
「9年前のさりげない心遣いや話し方がとてもよく、ぜひ今回も葬儀をお願いしたいのです」。
当社の社長と私宛に、喪主様の奥様から長いお礼の書簡が届いたのは、その葬儀が終わって間もなくのことでした。奥様は書道の先生でいらっしゃり、奉書紙に筆で美しく綴られていました。私への書簡のはじめには、こう書かれていました。
“感謝
日比野さん
母のために約九年ぶりの再会にも関わらず
ご尽力頂きましたこと
深く御礼申し上げます
実父の時にも大変お世話に成り
困っている時にいつも心に寄り添い
助けてくださり
感謝の気持ちでいっぱいです”
9年前、奥様のお父様の葬儀を私が担当させていただいていました。今回は、奥様のご主人のお母様の葬儀でした。葬儀の6日前、お義母様のご様子があまり良くないと、奥様より相談の連絡をいただいたのでした。私の勤務先が変わっているかもしれないと、直接私の携帯に電話してくださったのです。「日比野さんのさりげない心遣いや話し方がとても良く、私の母もとても喜んでいたので、ぜひ今回も日比野さんに葬儀をお願いしたいのです」と奥様。
私は9年前、ティア豊橋南に勤めていましたが、現在はティア豊橋に常駐しています。私の名前や携帯番号を覚えていてくださり、連絡をいただいたことをとてもありがたく感じながら、「承知いたしました。ティア豊橋南にて、私がご葬儀を担当させていただきます。ご安心ください」とお返事を差し上げました。
「私がもし喪主様だったら」。ごく小さな言動も見逃さず、全面的にサポート。
後日、奥様にティア豊橋にお越しいただき、9年ぶりに再会しました。お話を伺うと、奥様は、ご主人とお義母様と同居していて、11年間在宅介護をされていたとのこと。ご主人の母に対する愛は強く、心身を壊さないかと奥様が心配になるほど献身的に介護され、容態が急変した時などにはパニックを起こされることもあったようでした。ご主人側のご親族の結束も強く、奥様は嫁いできた嫁として、時折疎外感を感じながらも尽くし、やっとようやく、ご主人やお義母様から認められたことを実感していた矢先のことでした。
我が母を愛し、献身的に介護されたご主人。辛いことを乗り越えて、ご主人やお義母様に寄り添われた奥様。その強い故人様への想いを感じました。
私は経験を重ね、自分も喪主になり得る年齢になってくると、しだいに「私が喪主様だったら」と自分に置き換えて考えるようになりました。すると喪主様の立場や、今するべきことが見えてきて、自然に喪主様に寄り添うことができるようになりました。
今回は神式の葬儀だったので、喪主様は不安でいらっしゃるだろうと、儀式が滞りなく行えるよう、拝礼の作法からご挨拶の例文の読み方まで全面的にサポートし、ごく小さな言動をも見逃さないようにしました。
通夜葬儀の合間にも緊張感を感じれば、時には談笑を交えてリラックスしていただき、ご主人のご親族と奥様のご親族が、互いに良い雰囲気の中で式が行えるように心を配りました。
柩には花と家庭菜園の野菜。そして、密かに用意していたマスクメロン。
葬儀を終え、最期のお別れの時間。柩にはたくさんの花と、故人様の趣味だった家庭菜園の野菜が添えられました。最後に私は密かに用意していた一口大にカットしたマスクメロンを「こちらもよろしければお収めください」と喪主様に手渡しました。マスクメロンが故人様の好物で、食べ物が食べられなくなった時もジュースにして飲まれていたことを聞いていたからです。喪主様も、奥様も、ご親族の皆様も、涙を流されていました。
“日比野さんは人を差別する事なく
優しい気持ちで常に平等に
物事を瞬時に見極められる方ですね
プロフェッショナルとしての責任感にも溢れておられ
少しでも近づいていける様に
努力して参りたいと素直に想っております”
奥様からの書簡は、私へのお褒めの言葉で埋め尽くされており、少し恥ずかしい気持ちもあります。しかし、目には見えない私の葬儀への想いや心遣いを感じていただけていたことを、とてもうれしく思っています。また、長い書簡を書いていただいたのは、私がティアでプロの葬祭ディレクターとして認められるようにという、奥様の目に見えない心遣いであることを、私もまた感じます。献身的に、ご主人に尽くし、お義母様を介護された心の優しい奥様だからこその思いやりに感謝しています。
書簡の結びには、こう綴られていました。
“人生を学び合う心友(こころのとも)として
ご縁が続きますようにと切に願います
不安な心に寄り添い
支えて頂きました事
一生忘れません
心より御礼申し上げます
どうもありがとうございました
心友 日比野良太様”
担当者の想い
担当者の想い
人の出会いは一期一会。ご縁を大切に、忘れられない「感動」を与えたい。
人の感情は、生活環境や心境の変化で忘れていったり、薄くなったりしますが、受けた「感動」は時が経っても色褪せません。私は、お客様それぞれに寄り添った「感動」を与えられる葬儀ディレクターでありたいと思います。しかし通夜・葬儀はあくまでご縁のきっかけです。これで終わりではなく、その先の供養まで、お客様とのつながりを大切にするように心がけています。